全身性エリテマトーデスは、様々な臓器障害を呈する全身性の疾患で、疾患活動性や治療効果判定を定量化することが非常に難しいです。
臨床試験やその目的によって様々なものが使用されているため、臨床試験の結果を正確に理解するためには、その評価方法の特徴を把握しておく必要があります。
各評価の臨床的意義
一言で疾患活動性といっても、可逆性のある症状(腎障害など)、1度生じると改善の望めない症状(脳梗塞など)があり、それぞれ別の指標が必要です。
なぜなら変化した症状のみだけでは脳梗塞を評価しないことになるし、評価し続けると脳梗塞がある人はずっと活動性があることになってしまいます。
- 疾患活動性を評価する指標
- 1ポイントにおける疾患活動性を評価
- ある程度の期間をもった範囲での疾患活動性を評価
- 残存する臓器障害を評価する指標
- 寛解・再燃を定義する指標
主にこれらは臨床試験で用いるために開発されています。そのため、薬剤の効果を反映しやすくなっています。
臨床試験では、プラセボ群と比較して優位かを確認することが目的になることが多いため、疾患活動性を点数として評価して、点数が有意に低下したとするか、寛解や再燃など一定のラインを設けて、それを達成した割合を比較するかが多いです。
具体的な指標



これらが必ずしも実臨床で有意義であるとは限らないものの、実際の治療がどの程度効果があったかはもちろん、多臓器に渡る臓器障害を呈するSLEのどの臓器に、どのような障害があるかを、共通言語として記述できる点では意義があると思われます。
SLAM・SLAM-R
Arthritis Research & Therapy volume 17, Article number: 183 (2015)
- SLAM
- 1988年に公表され1991年に改訂され、直前1か月における全身の疾患活動性を測定する。
- SLAM-R
- 9臓器/系にわたる23の臨床所見と7つの検査所見が含まれ、総点は0~81となる。少なくとも7点は臨床的に重要で、50%超の症例で治療開始と関連する。各臓器項目は、過去1か月に当該臓器のいずれかの臨床所見が存在した場合に0~3点を与える(重症度が高いほど高得点)。多くの項目の最大点は3点であるが、一部の項目は最大1点にとどまる。検査カテゴリーの合計最大点は21点である。
- SLAMの長所
- SLAM指標は疾患活動性と疾患重症度の双方の側面を含む。
- SLAMの短所
- 臓器の生命に与える重要性を考慮せず、軽症臓器病変も重症臓器病変も同等の重みで扱う(すべて0−3点)
- 多くの項目が主観的であり、スコアの相当部分が患者による症状申告に依存する点である。SLAMは、最小限の活動性項目と損傷の区別、特にわずかな変化の判定に困難を生じる可能性がある。

