SLEDAI/SLEDAI-2K/SELENA-SLEDAI/Clinical SLEDAI/SFI

SLEDAI/SLEDAI-2K/Clinical SLEDAIはいずれも、全身性エリテマトーデス(SLE)の疾患活動性を評価するための指標です。

種類

  • SLEDAI
  • SLEDAI-2K
  • SELENA-SLEDAI
  • Clinical SLEDAI
  • 改訂版 SELENA-SLEDAI

歴史

1992年に、24項目(9臓器系)において、SLEの活動性を10日間の間で評価するスコアとして、SLEDAIが発表されました。このときは10日前と比較して新規・再発の場合のみ加点されました。 Arthritis Rheum. 1992 Jun;35(6):630-40. 

2002年に、SLEDAI-2K(SLEDAI-2000)が発表されます。新規・再発の場合のみ加点では、意義の乏しいと考えられる臓器障害である、皮疹・粘膜潰瘍・脱毛・蛋白尿については、持続(persistent)も加点可能に改訂されました。  J Rheumatol. 2002 Feb;29(2):288-91. 

2005年に、Combined Oral Contraceptives in Women with Systemic Lupus Erythematosusの中で、SLEDAIの項目はそのままで、用語の定義を厳密にした、SELENA-SLEDAIが使用されました。 N Engl J Med. 2005;353(24):2550-2558.

30日前との比較でも、同様に疾患活動性評価として使用できることが臨床試験で評価されましsた。Lupus. 2011 Jan;20(1):67-70.

臨床的な活動性のみを評価する目的で、SLEDAI-2Kから血清学的項目である、低補体・抗ds-DNA抗体を除外した
clinical SLEDAIが2010年代から使用されています。

ほかに、SELENA-SLEDAIに、SLEDAI-2Kのように持続項目を追加した、改訂版SELENA-SLEDAIなど、様々な型があります。

評価方法の原則

すべてに共通する原則
  • 現在のSLEの活動性を評価する。慢性の障害・損傷を評価するものではない。
  • 24項目の臓器障害を評価する
  • 各項目は、あり・なし で評価する
  • 即ち、重症度の細かな段階はない
SLEDAI・SELENA-SLEDAIの原則
  • 評価日から10日以内に症状が存在すれば評価対象になります。
  • 逆に、10日より前に存在する場合は、評価対象になりません。
  • 臓器障害によっては、10日以内に新規の所見である必要があります。
  • 臨床試験においては、10日間ではなく、30日間での評価になっていることもあります。 Lupus 2010;19:49-50
SLEDAI-2Kの原則
  • 基本的には同様ですが、蛋白尿・皮膚・粘膜では、10日前から持続していても評価対象になるようになりました。

具体的評価方法

研究における使用

  • Inclusion criteriaとしての使用
    • 多くの研究で疾患活動性のあるSLEのInclusion criteriaとして使用されています
    • 例えば、TULIP-2では、SLEDAI-2K 6点以上、Clinical SLEDAI 4点以上とされています。
      • 研究によって、SELENA-SLEDAIを用いたり、Clinical SLEDAIの規程がなかったり、組み入れる点数が異なるなど、違いがあります
  • 評価項目としての使用
    • 複合評価指標である、SRI-4・BICLAの一部として使用されています
    • SRI-4・BICLAでは、それぞれでBILAGの扱いが大きく異なり、これによって評価に違いが生まれています。
    • 副次評価項目として、SELENA-SLEDAIの4ポイント以上の減少を評価しています。これはSRI-4の満たすべき基準の一つです。
      • 複合評価指標であるSRI-4と同時に評価することで、複合的なSRI-4の各項目の達成率を比較することができます
    • 再燃の定義として、SRI-fiair indexの一つで使用されていることもあります

よい点・悪い点

Arthritis Research & Therapy volume 17, Article number: 183 (2015)では、以下が挙げられています。

よい点

  • すべてのSLEDAIで妥当性が検証されている
  • 実施・採点がやりやすく、実臨床でも実施しやすい

悪い点

  • 改善、悪化を捉える感度が低い
    • すでに症状がその臓器で存在している場合、寛解している状態では、そこから改善してもスコアが変化しない
    • SLEDAIは、症状の有無でしか評価できないため。(程度の評価が不能)
    • よって寛解の基準としては感度が低い
  • 臓器ごとの重症度を評価できない
  • SLEDAIで測定された疾患活動性は、患者が自己報告する疲労レベルを有意に予測しない可能性がある

SELENA-SLEDAI-Flair-index

SELENA-SLEDAIを用いた再燃の定義があります。Ann Intern Med. 2005;142:953–62.

SELENA試験で開発された指標で、SELENA-SLEDAI、軽度・中等度・重度再燃の区分、そしてPGA(医師の全般評価)を組み合わせた複合指標です。

従って、SELENA-SLEDAI自体の変化がなくとも、SFIで再燃と定義されることはあります。

  • 軽症〜中等度 (以下のいずれか1項目を満たす)
    • SELENA-SLEDAIが3点以上増加して、合計は12点以下 
    • SLEに起因する円板状皮疹、光線過敏性発疹、その他の皮疹(皮下脂肪織炎、皮膚血管炎、水疱性ループスを含む)、鼻咽腔潰瘍、胸膜炎、心膜炎、関節炎、感染によらない発熱の新規出現・増悪
    • プレドニゾン用量の増量がある(ただし体重当たり1日0.5 mg/kgを超えない)
    • ヒドロキシクロロキンまたはNSAIDsの新規開始がある(プレドニゾン用量の増量は伴わない)
    • PGA変化量が1以上だが、PGA<2.5
  • 高度 13点
    • SELENA–SLEDAIスコア ≧12 (変化量は問わない)
    • 中枢神経病変、血管炎、糸球体腎炎、筋炎、血小板減少(血小板 <60 × 10^9/L)、または溶血性貧血(ヘモグロビン <7 g/dL、あるいは2週間でヘモグロビンが>3 g/dL低下)の新規出現または増悪で、副腎皮質ステロイドの用量倍増により最終用量が >0.5 mg/kg/日となること、または急性入院を要すること
    • SLE活動性による入院
    • PGAがベースラインから2.5より高値に上昇すること

2025/11/09 表などをアップデートしました
2025/12/25 一部を修正、表を追加しました
2026/05/05 一部内容を修正しました

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この記事を書いた人

専門:膠原病リウマチ内科、内科
資格・所属:医師(MD) 
日本内科学会・日本リウマチ学会所属・大学病院勤務
患者さんから、(主に若手の)リウマチ科医師まで、膠原病・内科について広く知ってもらうことを目標にしています。皆さんで作っていくブログにしたいと考えていますので、お問い合わせフォームより、なんでも気軽にご相談・ご質問ください!

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