JAK阻害薬(オルミエント®リンヴォック®ジセレカ®など)ってどんな薬?

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関節リウマチの治療薬の一つであるJAK阻害薬(ジャック阻害薬)について、わかりやすくまとめました。

JAK阻害薬とは、関節リウマチなどに使われる免疫抑制薬の一つです。現在以下の5種類の薬剤が関節リウマチに対して使用できます。

現在日本で使用できるJAK阻害薬
  • オルミエント®(バリシチニブ)
  • ジセレカ®(フィルゴチニブ)
  • スマイラフ®(ペフィシチニブ)
  • ゼルヤンツ®(トファシチニブ) 
  • リンヴォック®(ウパダシチニブ) 注)記載は五十音順で、使用される順番ではありません

すべて内服するタイプの薬剤ですが、効果が出るのが速やかで、非常に効果がでる方もいます。ここでは、どのような薬なのか使用上の注意点、副作用、使用している方の疑問にお答えします。

目次

関節リウマチの治療の流れ

関節リウマチの治療の中心は、免疫抑制薬です。

関節リウマチは、異常な「免疫」が原因でおきる病気です。なので異常な原因を抑える「免疫抑制薬」を使うことになります。

その中心を担うのが、メトトレキサートという薬剤です。

STEP
メトトレキサートが使えるなら、メトトレキサートを使う

メトトレキサートは、関節リウマチの治療の中心となる薬剤ですが、副作用や肺・肝臓・腎臓の調子が悪い方は、使えない場合も多いです。

メトトレキサートが使えない場合には、他のリウマチに対する飲み薬を使います。

STEP
メトトレキサートでよくならないなら、他の注射・飲み薬(JAK阻害薬)を使う

メトトレキサートや昔からあるリウマチの飲み薬で効果がない・足りない場合には、他の薬を追加することになります。大きく二種類あり、

  • 生物学的製剤(注射)
  • JAK阻害薬(飲み薬)

があります。いずれもメトトレキサートなどとの違いとして、

  • いい点
    • 関節リウマチに対しての効果が強い
    • 関節リウマチに対しての効果が早い
  • 悪い点
    • 値段が高い
    • (生物学的製剤は)注射しかない
    • 免疫を抑える作用が強い(感染症になりやすい)
STEP
新しい薬でもよくならない場合は、薬の種類を変えてみる

注射や飲み薬の種類を変えることで、効果がでてくることがあります。

また、最初が効果があっても、徐々に効果がなくなってしまうことがあるので、その場合も薬をかえる必要があります。

STEP
ステロイド(プレドニン®)の使用は最小限にする

JAK阻害薬とは?

JAK阻害薬とは、細胞の中で免疫の連絡を担当しているJAK(ヤヌスキナーゼと読みます)を抑えることによって効果を発揮する免疫抑制薬の種類の一つ
内服で比較的高価だが、その分効果も高い

関節リウマチでは、炎症を起こす サイトカイン(TNF-α や IL-6 など)という物質が、血液や関節の中に過剰に放出されています。このサイトカインが細胞の表面にある「受容体」に結合すると、その刺激が細胞の中に伝わり、さらに炎症を引き起こす物質が作られ、炎症が続いてしまいます。

このとき、細胞の中で刺激を伝える「中継役」として働く酵素が JAK(ヤヌスキナーゼ/Janus kinase) です。JAKには JAK1・JAK2・JAK3・TYK2 の4種類があります。

JAK阻害薬は、この JAK の働きを止めることで、サイトカインの刺激が細胞の中に伝わるのをブロックし、炎症を抑えます。

生物学的製剤が「TNF-α」や「IL-6」といった 1つ1つのサイトカインをピンポイントで抑えるのに対して、JAK阻害薬は、複数のサイトカインが共通して使う「細胞の中の伝達経路(JAK経路)」というより 根っこ(上流)の部分 をまとめて抑えるイメージです。これが高い効果につながっていると考えられていますが、同時に、免疫を広く抑えることが副作用にも関係しています。

JAK阻害薬の種類

日本では5種類が使用できます。

現在日本で使用できるJAK阻害薬
  • オルミエント®(バリシチニブ)
  • ジセレカ®(フィルゴチニブ)
  • スマイラフ®(ペフィシチニブ)
  • ゼルヤンツ®(トファシチニブ) 
  • リンヴォック®(ウパダシチニブ) 注)記載は五十音順で、使用される順番ではありません
オルミエント®(バリシチニブ)
  • 1日1回・毎日内服(飲み薬)
  • 通常は4mg(1錠)を1日1回内服します。効果が安定すれば2mgに減量できることがあります。
    • オルミエント錠4mg ・・・ 1錠あたり 約4,484円
    • オルミエント錠2mg ・・・ 1錠あたり 約2,300円
      • 腎機能が低下している場合や、減量する場合に使用します。
  • 1ヶ月あたり 125,500円/月4mg・28日分) / 64,400円/月(2mg・28日分)
    • つまり3割負担の方であれば、4mgで約38,000円/月、2mgで約19,000円/月程度。(実際には診察料・検査費などが別途かかります)
  • 特徴
    • JAK1・2を特に強く抑え、円形脱毛症や新型コロナウイルス肺炎にも使われます。
    • 主に腎臓から排泄されるため、腎機能が低下している場合は減量が必要で、重度の腎機能障害(透析中など)では使用できません。

くわしくは主治医・薬剤師、または下記の患者さん向けサイトを参照してください。

ジセレカ®(フィルゴチニブ)

1日1回・毎日内服(飲み薬)

  • 通常は200mg(1錠)を1日1回内服します。腎機能が低下した方では減量します。
    • ジセレカ錠200mg ・・・ 1錠あたり 約4,160円
  • 1ヶ月あたり 約116,500円/月(200mg・28日分)
    • つまり3割負担の方であれば、約35,000円/月程度。(実際には診察料・検査費などが別途かかります)
  • 特徴
    • 5番目に登場したJAK1選択的阻害薬です。特有の酵素で代謝されるため、併用薬にあまり注意が要らないのが利点です。
    • 活性代謝物の大半が尿に排泄されるため、腎機能が低下している方では減量が必要で、重度の腎機能障害(透析中など)では使用できません。
スマイラフ®(ペフィシチニブ)

1日1回・毎日内服(飲み薬)

  • スマイラフ錠150mg(100mg錠+50mg錠) ・・・ 1日あたり 約3,891円
    • 通常は150mg(100mg錠と50mg錠を1錠ずつ)を1日1回内服します。状態により100mgで使うこともあります。
  • 1ヶ月あたり 約109,000円/月(150mg・28日分)
    • つまり3割負担の方であれば、約33,000円/月程度。(実際には診察料・検査費などが別途かかります)
  • 特徴
    • 日本で創製・開発された3番目のJAK阻害薬で、JAK1・2・3・TYK2の4つすべてを阻害します。
    • 特有の酵素で代謝されるため、併用薬にあまり注意が要らず、腎機能による用量制限もないのが利点です。ただし中等度の肝機能低下では50mgに減量、重度では使用できません。
ゼルヤンツ®(トファシチニブ)

1日2回・毎日内服(飲み薬)

  • ゼルヤンツ錠5mg ・・・ 1錠あたり 約2,261円
    • 1回5mg(1錠)を1日2回、あわせて1日2錠を内服します。
  • 1ヶ月あたり 約126,600円/月(28日分・1日2錠)
    • つまり3割負担の方であれば、約38,000円/月程度。(実際には診察料・検査費などが別途かかります)
  • 特徴
    • 2013年に登場した、日本で最初のJAK阻害薬。JAK1・2・3を阻害します。
    • 肝臓で代謝されるため、同じ酵素で代謝される薬との併用に注意が必要です。グレープフルーツジュースは作用を強めるおそれがあり、一緒に飲まないようにします。
    • 中等度〜重度の腎機能障害・中等度の肝機能障害では、1日1回に減量します。
リンヴォック®(ウパダシチニブ)

1日1回・毎日内服(飲み薬)

  • リンヴォック錠15mg ・・・ 1錠あたり 約4,326円
    • 通常は15mg(1錠)を1日1回内服します。体重の少ない方や肝機能障害がある方などでは7.5mgで使うこともあります。
  • 1ヶ月あたり 約121,100円/月(15mg・28日分)
    • つまり3割負担の方であれば、約36,000円/月程度。(実際には診察料・検査費などが別途かかります)
  • 特徴
    • JAK1を選択的に阻害する薬です。乾癬性関節炎など、他の膠原病や自己免疫疾患にも使われます。
    • 肝臓で代謝されるため、同じ酵素で代謝される薬との併用に注意が必要です。

くわしくは主治医・薬剤師、または下記の患者さん向けサイトを参照してください。

また、日本リウマチ財団からも詳しく情報が掲載されています。
リウマチ情報センター(JAK阻害薬) https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rheuma/dtherapy/jak/

JAK阻害薬の利点

メトトレキサートなどの、古くから使われている薬剤に比べて、リウマチに対する効果が高いと言われています。

JAK阻害薬の利点
  • 効果が強い
    • もともとある飲み薬だけでは、多くの方は症状が残ったままでした。(もともとある薬剤のみでは3−4割程度とされます)
    • JAK阻害薬が使えるようになったことで、より多くの方がリウマチがよくなるようになりました。
  • 飲み薬
    • 関節リウマチに使用される生物学的製剤は注射だけで、そこが使いにくい理由でした。
    • JAK阻害薬はすべて内服薬であるため通院での点滴や自己注射の必要はありません。
  • 効果が早い
    • 古くから使われている関節リウマチの薬剤よりも、効果が早く出現する傾向にあります

ではなぜ最初からJAK阻害薬をすべての患者さんに使用しないのでしょうか。それは一定数の患者さんはメトトレキサートのみで全く症状がない状態まで改善することができるからです(30%ぐらいの確率といわれています)。

しかし、例えば関節リウマチの程度が非常に悪い方や、メトトレキサートを使用できず、古くから使われている薬剤で治療することが難しいと考えられる場合には、早めからJAK阻害薬などを使用することもあります。最終的には主治医の判断が重要です。

JAK阻害薬の欠点

従来の内服薬よりも効果が強力で、他の生物学的製剤よりも使いやすいですが、以下のような欠点もあります。

JAK阻害薬の利点
  • 値段が高い
    • 3割負担の方でも、薬剤費だけで1ヶ月あたり3万〜5万円程度かかります。
    • 生物学的製剤も同程度かかるものもありますが、JAK阻害薬よりも安いものが多いです。
  • 免疫を抑える力が強く、感染症の副作用が多い
    • 特に日本人では 帯状疱疹 が起こりやすいことがわかっており、注意が必要です。
    • 帯状疱疹以外にも肺炎・尿路感染症など、様々な感染症になりやすくなり、かつなった場合に重症化しやすくなります。
    • また、元々B型肝炎・C型肝炎・結核にかかったことのある方は、本来であれば抑えられている感染症が再活性化する可能性があります。
  • 心血管障害・悪性腫瘍・血栓症のリスクへの懸念
    • JAK阻害薬の一つ、トファシチニブで海外の大規模試験(ORAL-Surveillance試験)で、リスクのある患者さんでは、TNF阻害薬(生物学的製剤の一種)と比べて、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベント、悪性腫瘍(がん)、血栓症、死亡が増える可能性が示されました。
    • それ以外のJAK阻害薬でも、同様のリスクがある可能性が考えられています。
    • 特に65歳以上の高齢の方、喫煙歴のある方、心血管系の危険因子やがんの既往がある方では、慎重な判断が必要です。
  • 妊娠中は使用できない
    • 動物実験で催奇形性が認められており、妊娠中・妊娠を希望されている方は使用できません。

JAK阻害薬の副作用

JAK阻害薬には以下の副作用が報告されています。

JAK阻害薬の副作用

まず特に重要なものを抜粋します。詳しくは以下で説明していきます。

  • 感染症(帯状疱疹を含む)
  • 血球減少(貧血・白血球減少・血小板減少)
  • 肝機能障害
  • コレステロール値・CK(クレアチンキナーゼ)値の上昇
  • 悪性腫瘍(がん)の可能性
  • 血栓症(血管内に血の塊ができる)
  • 心血管障害の可能性(例えば心筋梗塞など)
  • (まれに)間質性肺炎・消化管穿孔・横紋筋融解症

以下で詳しく説明します。

感染症

JAK阻害薬は異常な免疫を抑制してくれますが、本当は抑制したくない、正常な免疫まで抑制してしまいます。

これによって以下のようなことがおこりやすくなります。

  1. 普通は軽症で済む感染症が重症になりやすくなる。
  2. 普通の人がかからない感染症にかかりやすくなる。
  3. 昔に感染して、今はおさえられていた感染症がぶり返しやすくなる。

以下に詳しく説明します。

  • 普通は軽症で済む感染症が重症になりやすくなる。
    • 最も身近な感染症でいえば、インフルエンザや新型コロナウイルスです。
    • 一部では重症化する方はいらっしゃいますが、普通は自然と治る程度の感染症が、命に関わることになるほど悪くなりやすくなります。
  • 普通の人がかからない感染症にかかりやすくなる。
    • たとえば真菌(カビ)による肺炎がこの代表例です。
    • そのなかでも「ニューモシスチス肺炎」が有名で、発症すると非常に重症な肺炎を起こします。
      • バクタ®」「ダイフェン®」という薬剤は、このニューモシスチス肺炎の予防のために処方されています。これを飲んでいれば、ニューモシスチス肺炎になる可能性を大きく下げることができます。
  • 昔に感染して、今はおさえられていた感染症がぶり返しやすくなる。
    • 結核・B型肝炎・C型肝炎・帯状疱疹が代表的です。
      • これらの病原体は特殊で、ヒトの体に感染しても、体から完全に排除することができません。完全に排除はできなくとも、通常は体の中で抑えられています。
      • 免疫抑制薬を使用すると、抑えられていたものが出現(再活性化)することがあります。
    • そのため、免疫抑制薬を使用する前に、採血で感染したことがないかを確認させていただきます。
    • もし感染していた場合、再活性化が起きていないかを、症状や採血で適宜確認することが重要です。
      • 結核については、再燃を防ぐための薬を飲んでいただくこともあります。

JAK阻害薬を使用している限りは、免疫が抑えられた状態が続きます。

血球減少

「血球」というのは、血液の中の、赤血球・白血球・血小板の3つの成分を指す言葉です。

JAK阻害薬では、血球が減少することがあります。

日常生活を送る上で問題になるほど下がることは稀ですが、外来の採血で確認させていただく必要があります。基本的に自覚症状はでませんが、極端に低下すると以下の症状が出ます。

  • 貧血(赤血球減少) ・・・立ちくらみがする、ふらふらする
  • 血小板減少 ・・・歯を磨くと出血する、軽く打ったところがアザになる
  • 白血球減少 ・・・ほとんど症状はでない(風邪を引いたときに悪くなるなど)

悪性腫瘍(がん)の可能性

「血球」というのは、血液の中の、赤血球・白血球・血小板の3つの成分を指す言葉です。

JAK阻害薬では、血球が減少することがあります。

日常生活を送る上で問題になるほど下がることは稀ですが、外来の採血で確認させていただく必要があります。基本的に自覚症状はでませんが、極端に低下すると以下の症状が出ます。

  • 貧血(赤血球減少) ・・・立ちくらみがする、ふらふらする
  • 血小板減少 ・・・歯を磨くと出血する、軽く打ったところがアザになる
  • 白血球減少 ・・・ほとんど症状はでない(風邪を引いたときに悪くなるなど)

心血管障害の可能性(心筋梗塞など)

「血球」というのは、血液の中の、赤血球・白血球・血小板の3つの成分を指す言葉です。

JAK阻害薬では、血球が減少することがあります。

日常生活を送る上で問題になるほど下がることは稀ですが、外来の採血で確認させていただく必要があります。基本的に自覚症状はでませんが、極端に低下すると以下の症状が出ます。

  • 貧血(赤血球減少) ・・・立ちくらみがする、ふらふらする
  • 血小板減少 ・・・歯を磨くと出血する、軽く打ったところがアザになる
  • 白血球減少 ・・・ほとんど症状はでない(風邪を引いたときに悪くなるなど)

血栓症(血管に血の塊ができる)

「血球」というのは、血液の中の、赤血球・白血球・血小板の3つの成分を指す言葉です。

JAK阻害薬では、血球が減少することがあります。

日常生活を送る上で問題になるほど下がることは稀ですが、外来の採血で確認させていただく必要があります。基本的に自覚症状はでませんが、極端に低下すると以下の症状が出ます。

  • 貧血(赤血球減少) ・・・立ちくらみがする、ふらふらする
  • 血小板減少 ・・・歯を磨くと出血する、軽く打ったところがアザになる
  • 白血球減少 ・・・ほとんど症状はでない(風邪を引いたときに悪くなるなど)

Q&A

関節リウマチの薬全般の疑問

関節リウマチの治療は中止できる?

基本的には完全に中止することは難しいです。

一部の薬剤では、病気が安定すると減量できることがあります。

そのため、まずは病気の勢いをしっかり抑えることに専念し、半年から数年程度、病気が安定した状態が続いたあとで、減量を考えるというのが現実的な治療方針です。

病気が安定していたとしても、急に治療を減らすと、病気が再び悪くなってしまうことがあります。これを再燃といいます。再燃に十分注意しながら慎重に減量していく必要があるため、すぐに治療を軽くすることは難しい場合が多いです。

関節リウマチってどうやって治療するの?

治療には一定の原則がありますが、実際にどの薬を選ぶかはケースバイケース

どの薬が最も効果があるかは患者さんごとに異なり、はっきりと予測することが難しいです。

関節リウマチのタイプ、年齢、合併症、これまでにかかった病気、金銭面、薬の投与頻度、通院のしやすさなどを総合的に判断し、主治医が経験も踏まえて治療薬を選択しているのが実際のところです。

したがって、実際に患者さんを診察することなく、「この薬がおすすめです」と断定することはできません。

JAK阻害薬にも5種類あり、それぞれ向いている患者さん・値段・注意点が異なりますので、どの薬が自分に合っているかは主治医に相談してみてください。

使用開始中の疑問

JAK阻害薬を使っているときに、気をつけることは?

免疫抑制薬は、免疫の働きを通常よりも抑える薬です。そのため、使用中は感染症に注意することが最も重要です。

  • 手洗い・うがい・マスクを心がける
  • 風邪をひいている方や小さいお子さんと接する際には注意
    • お子さんは、風邪や小児に多い感染症にかかっていることがあります。通常の大人であれば感染しなかったり、感染しても軽症で治ったりすることが多いですが、免疫が抑えられた状態では重症化してしまう可能性があります
  • 人混みにはできるだけ行かないようにする
    • 人混みでは感染症をうつされる可能性が高まります。
    • また、ほこりが多く舞っていることもあり、ほこりの中には、真菌、つまりカビが含まれていることがあります。通常は、気づかないうちにほこりを吸い込んでも、免疫によって排除されています。しかし、免疫が抑えられた状態では、真菌による肺炎を起こしてしまうことがあります。
JAK阻害薬を使っているときに、食事はどのように気をつけたらいい?

一部のJAK阻害薬は薬物相互作用があるため、グレープフルーツジュース などには注意が必要になることがあります。詳しくは主治医・薬剤師に確認しましょう。

また、ステロイド、たとえばプレドニン®やメドロール®などを使用している方は、いくつか注意すべき点があります

JAK阻害薬と他の薬を一緒に使って大丈夫?

基本的に多くの薬とは併用できますが、注意点があります。
一部のJAK阻害薬(ゼルヤンツ®・リンヴォック®など)は、肝臓の酵素(CYP)で代謝される薬(一部の抗真菌薬・抗菌薬など)
との飲み合わせに注意が必要です。

また、生物学的製剤や他のJAK阻害薬と同時に使用することはできません。免疫抑制が強くなりすぎるためです。

具体的に心配な薬剤がある場合には、主治医に相談してください。

ワクチンは打っても大丈夫?

多くは問題ないが、種類によっては打てないため、打つ前に必ず確認を!

結論として、関節リウマチに対して免疫抑制薬を使用している方は、ワクチンを接種することはできません。(不活化ワクチンはOK!)

むしろ、免疫が抑えられている方では、ワクチンによって感染症を予防することが望ましい

ワクチンには大きく分けて2種類あり、打ってよいものと、打つべきではないものがあります。

ワクチンは、病原体に似た構造を体に入れることで、それに対する免疫をつけることを目的としています。この「病原体に似た構造」が、どの程度病原体に近いかによって種類が分かれます。

  • 不活化ワクチン
    • 病原体そのものではなく、感染力をなくしたものや一部の成分を用いたワクチンであり、免疫抑制状態でも接種できることが多いです。
  • 生ワクチン
    • 病原体に近い性質を持つワクチンです。そのため、免疫を抑えている状態では接種できません。

大人になってから接種するワクチンの多くは不活化ワクチンです。そのため、多くは問題なく摂取が可能です。たとえば、インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチンは、基本的には問題なく接種できます。

生ワクチンには、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、ロタウイルス、結核などがあります。これらは基本的には子どもで使用されることが多いワクチンです。また、帯状疱疹ワクチンのうち、ビケン®は生ワクチンであるため、免疫抑制薬を使用している方は接種できません。

一方、不活化ワクチンには、インフルエンザワクチン、新型コロナウイルスワクチン、肺炎球菌ワクチン、HPVワクチン、髄膜炎菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンのシングリックス®、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンなどがあります。これらは、免疫抑制薬を使用していても接種できることが多いワクチンです。

ワクチンの種類
  • 不活化ワクチン ・・・免疫抑制薬を使用していても打てる
    • インフルエンザ
    • コロナウイルス
    • 肺炎球菌
    • HPV(ヒトパピローマウイルス)
    • 髄膜炎菌
    • 帯状疱疹(シングリックス®)
    • A型肝炎・B型肝炎
  • 生ワクチン ・・・免疫抑制薬を使用していると打てない
    • (基本的には、こどもしか使用しない)
    • 麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・ロタウイルス・結核
    • 帯状疱疹(ビケン®)

薬の種類や病状にもよりますが、インフルエンザワクチン、新型コロナウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンなどは、接種が望ましいとされています。

ただし、帯状疱疹ワクチンには2種類あります。シングリックス®は不活化ワクチンであり、免疫抑制薬を使用している方でも接種できます。一方、ビケン®は生ワクチンであるため、免疫抑制薬を使用している方は接種できません。

JAK阻害薬を使っていて妊娠しても大丈夫?

JAK阻害薬は、妊娠中・妊娠を希望されている方は使用できません。

動物実験で催奇形性(胎児に奇形を起こす可能性)が認められているためです。

妊娠を希望される場合は、あらかじめ主治医に相談し、別の治療への変更などを検討する必要があります

授乳についても主治医に相談しましょう。

JAK阻害薬の効果はいつぐらいに出るの?

一般的には、3ヶ月以内に効果がなければ、その薬は十分な効果がないと考えることが多いです。

どれくらいで効果が出てくるかは,個人差の大きいところですが、比較的速やかに効果がでるとされます

具体的には、内服して次の日に効果が出る方もいれば、2−3週間程度で徐々に効果が出てくる方もあります。

医師にとっても、いつごろから効果が出てきたかは重要な情報です。そのため、日記などに痛みの程度や朝のこわばり、腫れている関節、日常生活で困る動作などを記録していただけると、治療効果を判断するうえで大きな参考になります。

こんな時どうする

内視鏡検査や手術を予定しているが

基本的には手術を受ける前に主治医に相談が必要です。

胃カメラや大腸カメラ程度の検査であれば、基本的には薬剤を中止する必要はありません。

一方で、手術の場合には、一時的に薬を中止した方がよいことがあります。

薬を続けるか中止するかは、治療中の病気の状態、手術の大きさ、感染症のリスク、薬を止めることで病気が悪くなるリスクなどを総合的に考えて判断します。そのため、手術や検査を受ける予定がある場合には、必ず主治医に相談してください。

風邪・帯状疱疹になった

速やかに主治医に相談し、医療機関を受診しましょう。
感染症になった場合は、基本的にはJAK阻害薬を中止することが多いです(病気との兼ね合いに寄ります)。

感染症になった場合、つまり風邪っぽいときや、帯状疱疹を疑う症状(体の片側のピリピリ感・赤い発疹・水ぶくれ)などがあるときは、早めに医療機関を受診してください。

 感染症の間はJAK阻害薬を一時的に休むことがあります。自己判断せず、主治医に連絡・相談しましょう。

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。
個々の患者さんの診断・治療方針は、病状、検査結果、併存疾患、使用中の薬剤などによって異なります。
実際の診療判断は、必ず主治医または医療機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

専門:膠原病リウマチ内科、内科
資格・所属:医師(MD) 
日本内科学会・日本リウマチ学会所属・大学病院勤務
患者さんから、(主に若手の)リウマチ科医師まで、膠原病・内科について広く知ってもらうことを目標にしています。皆さんで作っていくブログにしたいと考えていますので、お問い合わせフォームより、なんでも気軽にご相談・ご質問ください!

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