関節リウマチかもしれない、関節リウマチと診断された。そんな不安を抱える患者さんたちのための、関節リウマチという病気についてをまとめたページです。
膠原病リウマチ内科医である筆者が、実臨床で患者さんから受けた質問や、知っておいた方がよいことを中心にまとめています。
関節リウマチについて
免疫の異常のせいで、関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れ が生じる病気

関節が病気の中心となりますが、関節以外にも、さまざまな臓器が障害されることがあります。
関節リウマチのように、自分の免疫が自分を攻撃してしまう病気のことを、膠原病と呼びます。

関節リウマチの患者さんの数
日本には、70.6万人(全人口あたり0.6%)の患者さんがいると推定されています。
日本で、最も数が多い膠原病です。
世界的にも人口の0.5〜1.0%の割合で患者さんがいらっしゃると考えられています。
Mod Rheumatol. 2014 Jan;24(1):33-40.
関節リウマチになる原因
原因は明確には分かっていません。
遺伝的要因と、環境要因の2つの原因があわさったときに発症しやすいと考えられています。
遺伝的要因
遺伝的要因とは、関節リウマチになりやすい体質のことです。関節リウマチの方を調べると、あるタイプの遺伝子を持つ方が多いことが分かりました。このことから、ある遺伝子を持つ方では関節リウマチを発症しやすいのではないかと考えられています。
環境要因
環境要因とは、関節リウマチを引き起こす可能性のある要素のことです。例えば、喫煙・歯周病などがある方は、関節リウマチを発症しやすいことが知られており、これらによって関節リウマチが引き起こされている可能性があります。

関節リウマチは指定難病?
関節リウマチは指定難病ではありません。
指定難病とは、厚生労働省が定める一部の病気を呼びます。
関節リウマチはこれに定められていないため、指定難病ではありません。
これは、関節リウマチが難しい病気でないという意味ではないことに注意が必要です。
単に、厚生労働省がこれを難病の中に定めていないというだけです。
関節リウマチが難病として定められていない理由として、大きな理由として患者さんの人数があると考えられます。
難病では、目安として人口の0.1%以下の患者さんであることが必要です。しかし、関節リウマチは全人口あたり0.6%の患者さんがいらっしゃるため、難病の事項に該当しないのです。
症状について

関節リウマチは、関節の症状がほぼ生じますが、それ以外でも全身のさまざまな臓器が障害されることがあります。
関節の症状
「手の指」「足の指」「手首・足首」など小さい関節が腫れて、痛みがでることが多いです。
関節痛・関節炎
このような、関節が「腫れて」「痛みがでる」状態を、関節「炎」といいます。
とくに関節リウマチの場合、手の指・足の指・手関節・足関節など小さい関節に痛みが出ることが多いです。
しかし、特にご高齢の方では、肩・肘・膝など、大きな関節にも痛みが出ることがありえます。
関節炎が生じる病気は、関節リウマチ以外にも様々あり、関節が腫れているからといって関節リウマチとは限りません。

朝手がこわばる・動かしにくい
朝起きると「手がこわばって動かしにくい」症状があり、これが30分〜半日持続します。
動かすことによって徐々に改善することが大半です。
関節リウマチで、関節痛とならんで非常によくみられる症状です。
医学的には、「関節炎」(関節が腫れて、痛みがある状態)が存在している場合に、上記の症状がみられるといわれています。
しかし関節リウマチ以外でも起きることはあり、これがあるからといって関節リウマチとは限りません。(割合的には関節リウマチでないことのほうが多いと思います。)

関節が破壊されてしまう
「関節炎」(関節が腫れて、痛みがある状態)が続くと、関節の骨が破壊されていきます。
これによって関節がもとの構造を保てなくなり、脱臼したり、骨が溶けてしまうこともあります。

メディカルスタッフのための ライフステージに応じた関節リウマチ患者支援ガイド による
昔は関節リウマチに対して、今より良い治療法がなかったため、このような変形を呈してしまうことが多かったようです。
1度このように変形してしまうと、内服や注射の治療では治すことは難しく、手術をするほかはありません。
なので、治療の目標は、このような関節が破壊されないように、病気を抑えることです。
間質性肺炎
一般的に「肺炎」と言えば、新型コロナウイルスによる肺炎や、誤嚥性肺炎など、ウイルスや細菌による「感染症」を指します。
「間質性肺炎」とは、そういった外部の病原体ではなく、免疫の異常によっておきる肺炎のことです。
さまざまな膠原病に生じますが、関節リウマチもその一つです。
関節リウマチのかたの2割程度に生じるとされます。また場合によっては、肺炎が関節炎より先に生じることもあります。
間質性肺炎で重要なことが、「急性増悪」(きゅうせいぞうあく)という症状です。
文字通り、「肺炎が急激に悪くなること」で、命に関わることもある非常に危険な状態です。
急性増悪した場合には、普通の関節リウマチの治療では歯が立たず、ステロイドなどを使った強力な治療が必要になります。

診断について

問診・身体所見・採血・画像の検査を組み合わせ、
関節リウマチらしい関節炎があること
ほかの病気ではないことを除外した上で、初めて診断することができます。
膠原病すべてにいえることですが、関節リウマチは、1つの検査(採血やレントゲン)で診断が確定する病気ではありません。
関節炎を確認する
関節リウマチの診断をするに当たって、「関節炎」を確認することは必須です。
しかし経験上、診断し慣れている医師でないと、関節炎のそのものを確認することが難しいことが多いです。
基本的には身体診察で確認しますが、関節エコー・関節X線(レントゲン)を使う施設もあります。
他の病気を除外する
他の病気ではないことを確認することを「除外」といいますが、この除外することが膠原病においては重要です。
そのため、採血やレントゲンなどだけで関節リウマチということはできないのです。
検査採血
採血はだけでは関節リウマチは診断できませんが、採血項目では関節リウマチの診断に重要な検査項目があります。
それが、リウマチ因子(RF)と、抗CCP抗体 です。
特徴を簡単に示します。
- 全人口あたり2.4〜5%程度は陽性になる。
- つまり陽性でも関節リウマチでない方もいる。
- 関節リウマチ患者さんのうち、70%が陽性になる。
- つまり陰性でも関節リウマチの方もいる。
- 値が高い場合には、リウマチが悪い人が多い。良くなると低下する。
- 日本においては健康診断で測定されることがある。
- 関節リウマチ患者さんのうち、70%が陽性になる。
- つまり陰性でも関節リウマチの方もいる。
- 陽性であれば、関節リウマチの可能性が95%とされる。
- つまり陽性であれば、関節リウマチの可能性がある。
- ただし症状がない場合には、関節リウマチとはいえない。

必要な検査のまとめ
関節リウマチを診断するために必要な検査は以下の3種類です。
- 関節をみる検査
- 関節以外の関節リウマチの症状をみる検査
- 関節リウマチ以外の病気を除外する検査
それぞれ簡単に説明すると、
- 関節をみる検査
- 関節X線 ・・・関節が壊れているかどうかをX線(レントゲン)で確認します。
- 関節エコー(超音波) ・・・関節に炎症(関節炎)が存在するかを確認します。
- 関節以外の関節リウマチの症状をみる検査
- 胸部X線・CT ・・・間質性肺炎があることがあるため、画像の検査で確認します。
- 関節リウマチ以外の病気を除外する検査
- 血液培養検査 ・・・細菌(バクテリア)の感染症で同じような症状が出ることがあるため、行う場合があります。
- 関節穿刺 ・・・腫れた関節を針で刺すことで、中の液体の成分を調べます。
- がん検査 ・・・癌に伴う症状として、関節が痛くなることがあるため、がんの疑いがある場合には調べます。
上の検査は、関節リウマチを診断する際にすべての検査を行っているわけではありませんが、医師に応じて、必要な検査を行います。
したがって関節リウマチを採血だけで診断することは基本的には難しいです。
治療について

- 免疫抑制薬を使用する。
- 免疫抑制薬は個人差が大きい。
- 効果が乏しい場合には、薬を変更していく。
- 免疫抑制薬には、感染症の副作用があり、他にも様々な薬ごとの副作用がある。
関節リウマチは、「膠原病」といわれる、自分の免疫で自分の体(特に関節)を攻撃することによって起きる病気と考えられています。
したがって、これを治療するためには異常な免疫を抑える=免疫抑制を行うことが必要です。
このために使用される薬剤が、免疫抑制薬です。
免疫抑制薬は様々な種類がありますが、効果は個人差が大きいです。人によって非常に良く効く方、あまり効果のない方がいらっしゃいます。現状では治療してみないとどれほど効果が出るかは分からないことが多いです。
基本的なイメージとしては、徐々に強い薬を足したり、違う薬に変えたりして効果のある薬剤を探していくことになります。
詳しくは、以下のページをご覧ください。

最終更新:2026/06/28 内容を修正しました
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。
個々の患者さんの診断・治療方針は、病状、検査結果、併存疾患、使用中の薬剤などによって異なります。
実際の診療判断は、必ず主治医または医療機関にご相談ください。

