関節リウマチの治療について

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関節リウマチかもしれない、関節リウマチと診断された。そんな不安を抱える患者さんたちのためのサイトです。

ここでは特に関節リウマチの治療についてまとめました。

目次

治療について

関節リウマチの基本的な治療方針
  • 免疫抑制薬を使用する。
  • 免疫抑制薬は個人差が大きい。
  • 効果が乏しい場合には、薬を変更していく
  • 免疫抑制薬には、感染症の副作用があり、他にも様々な薬ごとの副作用がある。

関節リウマチは、「膠原病」といわれる、自分の免疫で自分の体(特に関節)を攻撃することによって起きる病気と考えられています。

したがって、これを治療するためには異常な免疫を抑える=免疫抑制を行うことが必要です。

このために使用される薬剤が、免疫抑制薬です。

免疫抑制薬は様々な種類がありますが、効果は個人差が大きいです。人によって非常に良く効く方、あまり効果のない方がいらっしゃいます。現状では治療してみないとどれほど効果が出るかは分からないことが多いです。

基本的なイメージとしては、徐々に強い薬を足したり、違う薬に変えたりして効果のある薬剤を探していくことになります。

使用する薬の種類

関節リウマチの治療では様々な「免疫抑制薬」が使用されます。

免疫抑制薬の種類
  • 古くから関節リウマチに対して使用されてきた内服の薬剤
    • メトトレキサート(リウマトレックス®) など
  • 新しく使用される注射の薬剤 = 生物学的製剤
    • TNFα阻害薬
    • IL-6阻害薬
    • T細胞選択的共刺激調整薬
  • 新しく使用される内服の薬剤
    • JAK阻害薬

すべて免疫を抑える薬であるため、感染症の副作用がある点には注意が必要です。(一部は厳密には調整する薬で、免疫抑制薬ほど副作用が強くない)

メトトレキサート

  • 関節リウマチにおいて最も重要な薬剤
  • 週1回内服する
  • 6mg(3錠)前後から開始して、徐々に増やしていく
  • 1回あたり、200〜600円程度
  • 効果は遅く、安定するのに数ヶ月かかる

メトトレキサートは関節リウマチ治療において、最も重要な薬剤です。
様々なガイドラインにおいて、治療の主軸に据えられており、最も最初に使用するべき抗リウマチ薬(関節リウマチに対して使用する薬剤のことを抗リウマチ薬といいます)です。

使用できる場合には、まずはじめに使用することがよいと考えられます。

効果のスピードが遅く、効果を実感するのに週単位でかかることが多いですが、メトトレキサートのみですっかりよくなってしまう方もいらっしゃいます。

ただし、使えない患者さんがいらっしゃること、また副作用がある点には注意が必要です。

下に、一部の注意を記載しますが、これがすべてではありません。実際の内服の注意点、使用できるかどうかなどは主治医の判断が最も重要です。

  • 使用できない方
    • 妊娠している方、妊娠を計画している方、授乳中の方
    • メトトレキサートに過敏症(アレルギー)がある方
    • 感染症がある方
    • 血液の異常がある方(貧血・白血球減少・血小板減少など)
    • 肝障害がある方
    • 腎障害がある方(重症な場合に限る)
    • 胸水・腹水がある方
    • 呼吸障害がある方(酸素が必要、間質性肺炎があるなど)
  • 副作用
    • 貧血・白血球減少・血小板減少
    • 肝障害
    • 肺障害
    • メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(リンパ腫のような状態)

ステロイド(プレドニン®)

前提として、プレドニゾロンは現在では関節リウマチのための薬としては扱われません。

確かに関節炎や間質性肺炎に対しては絶大な効果を発揮はしますが、副作用が非常に多いからです。

したがって現在、関節リウマチに対してステロイドを使うタイミングは以下に限られます。

  • 関節炎が非常に悪く、ステロイドなしでは症状が抑えられない場合
  • 関節以外の症状が悪い場合
    • 間質性肺炎
    • 血管炎
    • 髄膜炎 など

生物学的製剤

「生物学的製剤」とは、生物が産生する蛋白質を利用した薬剤、のことです。

関節リウマチにおいては、異常になった免疫を押さえる目的で使用され、大きく3種類あります。

特徴としては、以下の5点が挙げられます。

生物学的製剤の特徴
  • 従来の内服の薬と比べて、効果が高い
  • ステロイドと比較すると、副作用が少ない
  • 注射の薬しかない
  • 費用が高い
  • 使用していると効果がなくなってくる場合がある

オレンシア(アバタセプト)

「生物学的製剤」という種類の薬にあたります。

主にメトトレキサートを使用しても、関節の痛みが良くならないときに使用します。

  • 関節リウマチにおいてメトトレキサートでよくならないときに使用する。
  • 注射(自己注射といって自分で皮膚に注射するタイプ・病院で点滴するタイプがある)
  • 自己注射なら1週間に1回、点滴なら月1回。
  • 効果のスピードがTNFα阻害薬・IL-6阻害薬に比べると遅い。
  • 薬の値段自体は1ヶ月で約34,300円

JAK阻害薬

ジャック阻害薬と読みます。

生物学的製剤より新しく、内服で使用する薬剤です。日本では以下の五種類が使えます。

それぞれの薬に大きな効果の違いはありませんが、関節リウマチ以外にも使える薬剤もあります。

  • バリシチニブ(オルミエント®)
  • トファシチニブ(ゼルヤンツ®)
  • ウパダシチニブ(ウパダシチニブ®)
  • ペフィシチニブ(スマイラフ®)
  • フィルゴシチニブ(ジセレカ®)

すべて内服であり、いずれも効果が強く、スピードも速いことが特徴ですが、値段が高いです。

  • 関節リウマチにおいてメトトレキサートでよくならないときに使用する。
  • 毎日内服
  • 効果のスピードが速い。
  • 薬の種類にもよるが、薬の値段は1ヶ月で、10万円程度

具体的な治療方針

関節リウマチに対しては様々な薬剤が使用されますが、これらを使っていく大まかな順番があります。

  • まずメトトレキサートを使用できる場合には、メトトレキサートを使用する
  • メトトレキサートが使用できない場合には、他の昔からの内服薬を使用する
  • メトトレキサートでよくならない場合は、新しい注射(生物学的製剤)・新しい内服の薬(JAK阻害薬)のいずれかを使用する
  • 新しい薬を使用しても良くならない場合には、違い種類の新しい薬に変更する
  • ステロイドの使用は最小限にする(使用しないほうがよい)

ただ、ガイドラインでは図のようになっていますが、必ずしもこれに沿うことが一番いいかは患者さんやその施設の状況にもよります。

薬の治療の効きに応じて、継続したり、治療を追加したりしていきます。具体的には以下のようになります。

生物学的製剤とJAK阻害薬は併用できません。また生物学的製剤、JAK阻害薬を複数種類同時に使うこともできず、基本的にはこれらのうち、1種類の薬を使い、効果がない場合には他の薬に切り替えていくことになります。

これはあくまで原則であって、当然患者さんごとに、使える薬剤、使うべき薬剤は異なります。患者さんを一番近くで見ている主治医の判断が最も重要です。

治療の目標

目指すべき治療の目標は、以下の3つをすべて満たすことです。

  • 診察や採血で病気が安定していること
  • 日常生活に支障がなくなること
  • 関節の破壊が進まないこと

このような状態のことを医学用語で「寛解」(かんかい)と呼びます。

残念ながら、この中に「薬を使用しなくなる」という内容は含まれていません

病気が治るということは一般的なイメージでは、症状がない+治療がいらない 状態を指すことが多いと思いますが、残念ながら関節リウマチにおいて、治療が必要なくなることは少ないです。

多くの人が、関節の症状はなくなったものの、それを維持するためには薬を続ける必要があり、やめたり減らしたりした場合に、再度悪くなることもあります。(再燃といいます)

入院の必要性・外来の頻度

基本的に、関節リウマチを診断し、治療を開始するために入院は必要ありません
治療を開始した直後は、2〜4週間ごとに外来に来ていただくことが多いです。
安定すれば、3ヶ月ごとなど、頻度を落とせることが多いです。

一部の施設では、入院前の様々な検査を1度に行い、また治療を開始した後の経過をしっかり見させていただくために、入院をおすすめしている病院もあります。

外来は、副作用や効果を綿密にチェックさせていただくために、来ていただくことが多いです。

最終更新:2026/06/28 内容を修正しました

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。
個々の患者さんの診断・治療方針は、病状、検査結果、併存疾患、使用中の薬剤などによって異なります。
実際の診療判断は、必ず主治医または医療機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

専門:膠原病リウマチ内科、内科
資格・所属:医師(MD) 
日本内科学会・日本リウマチ学会所属・大学病院勤務
患者さんから、(主に若手の)リウマチ科医師まで、膠原病・内科について広く知ってもらうことを目標にしています。皆さんで作っていくブログにしたいと考えていますので、お問い合わせフォームより、なんでも気軽にご相談・ご質問ください!

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