TNFα阻害薬とは(エンブレル・シンポニー・シムジアなど)

この記事は患者さん向けです。

TNFα阻害薬(ティーエヌエフ・アルファ・阻害薬)は関節リウマチの治療薬の一つです。

注射の薬ではありますが、非常に強力で、速やかな効果が期待できます。

関節リウマチについては、こちらのページを参照ください。

目次

関節リウマチ治療の流れ

関節リウマチに対する治療は、免疫抑制薬を中心に用います。つまり、異常になった免疫を抑え、関節の痛み・腫れを鎮め、破壊を進めないようにすることが目標です。

関節リウマチで最も重要な薬剤である、メトトレキサートを中心として、効果が不充分であれば様々な薬を足したり、変更する、という方針で進めていきます。

  • まずメトトレキサートを使用できる場合には、メトトレキサートを使用する
  • メトトレキサートが使用できない場合には、他の昔からの内服薬を使用する
  • メトトレキサートでよくならない場合は、新しい注射(生物学的製剤)・新しい内服の薬(JAK阻害薬)のいずれかを使用する
  • 新しい薬を使用しても良くならない場合には、違い種類の新しい薬に変更する
  • ステロイドの使用は最小限にする(使用しないほうがよい)

メトトレキサートやほかの内服の治療を初めても、目標が達成できない場合、つまり痛みや腫れ、朝のこわばりが残っている場合、採血や超音波の検査で炎症がいまだ残っている場合、主治医の判断で治療を追加することが必要な場合には、追加の治療を検討することが必要です。

この追加の治療の一つとして、TNFα阻害薬があります。

「TNFα阻害薬」とは?

TNFαとは、体の免疫機能をやりとりしている「サイトカイン」の一つです。

大まかにいえば、TNFαは「炎症」を引き起こすサイトカインであり、関節リウマチ患者さんにおいては関節炎・関節の破壊などに関係していると考えられています。

よって、TNFαをさまざまな方法で阻害する(数を減らす、伝わらないようにする)ことで、関節リウマチの病気を抑えることができます。

このような「サイトカイン」は、細胞表面にある「受容体」に結合して、細胞の中に情報を伝えます。(手紙で例えると、郵便局の人が直接渡すために家の中に上がってくることはせず、家のポストに入れると思いますが、家のポストが受容体です。)

TNFα阻害薬の特徴

TNFα阻害薬に様々な種類がありますが、すべて注射で、その効果はほぼ同じといわれています。(近年患者さんによって違いがあるというデータも出てきていますが、大きくは変わりません。)

注射の方法は3通りあります。

  • 静脈注射(一般的な「点滴」に相当する、病院で投与する必要がある、ある程度時間がかかる)
  • 皮下注射(一般的な「予防接種」に相当する、家で投与できる、1回10秒前後)
    • オートインジェクター:患者さん本人で皮下注射ができる装置。皮膚に当てて押すだけで注射ができる。
    • シリンジ:一般的な注射の形をしている。病院で皮下注射する場合はこちらをつかう。

TNFα阻害薬の場合、大半が皮下注射であり、オートインジェクターを使って患者さん自身に家で投与していただくことが多いです。以下のペンのようなみためをしているものが、オートインジェクターです。

日本リウマチ財団 生物学的製剤(点滴・注射)より

TNFα阻害薬の種類

TNFα阻害薬には、様々な種類があり、それぞれに特徴があります。

それぞれの投与の仕方、間隔、値段の目安をしめしたのが、以下の図です。

それぞれの種類についてまとめていきます。

以下の記載は発売日順であり、使用される順ではありませんのでご注意ください。

  • インフリキシマブ(レミケード®)
  • エタネルセプト(エンブレル®)
  • アダリムマブ(ヒュミラ®)
  • ゴリムマブ(シンポニー®)
  • セルトリズマブ・ペゴル(シムジア®)
  • オゾラリズマブ(ナノゾラ®)
  • 最も最初に作られたTNFα阻害薬
  • 現在は関節リウマチに対してはほとんど使用されない
    • その理由として、使用しているうちに効かなくなることが多い(二次無効)
    • 点滴しかない
  • メトトレキサートを必ず使用する必要がある
    • 使用しないと、インフリキシマブの効果が弱くなってしまうため
  • 古い薬剤のため、値段が安い。

製剤写真 レミケード点滴静注用100/100mg×1V
https://medical.mt-pharma.co.jp/di/photo/thumbnails/0000001733/_

  • 週1回 自己注射
  • メトトレキサートを使用した方が効果が高い(なくても使用自体は可能)
  • バイオシミラー製剤があり、値段が安い。
    • 50mg製剤 11,768/週 × 4 = 47,072円(1月あたり)
  • 病気が安定すると投与する量を減らせる
    • 50mgで初めて、25mgに減量できる。投与間隔は同じ。
  • 公式サイト

エンブレル皮下注ペン 剤形写真
https://www.pfizermedicalinformation.jp/エンブレル皮下注ペン/ji-xing-xie-zhen

  • 2週に1回 自己注射
  • メトトレキサートを使用した方が効果が高い(なくても使用自体は可能)
  • バイオシミラー製剤があり、値段が安い。
    • 20mg製剤 18,636/2週 × 2 = 37,272円(1月あたり)
  • 効果が乏しい場合、量を増やせる
    • 20mgで初めて、40mgに増量できる。投与間隔は同じ。
  • 公式サイト

ヒュミラ 製剤写真
https://a-connect.abbvie.co.jp/products/code/humira_image.

  • 1ヶ月に1回 自己注射
  • メトトレキサートを使用した方が効果が高い(なくても使用自体は可能)
  • バイオシミラー製剤がないため、他より高価
    • 50mg製剤 110,649円(1ヶ月あたり)
  • メトトレキサートを使用する場合は50mgから、使用しない場合は100mgから使用する。
  • 効果が乏しい場合、量を増やせる
    • 50mgを100mgに増量することが可能。
  • 公式サイト

製剤写真 シンポニー皮下注50mgオートインジェクター/50mg×1オートインジェクター
https://medical.mt-pharma.co.jp/di/product/smp/photo/thumbnails/0000002539/

  • 2週間に1回(安定すれば1ヶ月に1回) 自己注射
  • メトトレキサートを使用した方が効果が高い(なくても使用自体は可能)
  • バイオシミラー製剤がないため、他より高価
    • 50mg 53,942円/2週 × 2 = 103,628円(1ヶ月あたり)
  • 治療開始時に、通常より多い量を投与することで、治療初期に病気を押さえ込める
    • 治療開始1,2,4週時に400mgを投与。
    • その後は200mgを2週間に1回投与。
  • 安定すれば400mgを1ヶ月に1回投与してもよい。
  • 公式サイト

https://hcp.ucbcares.jp/product/cimzia/200mg_autoclicks

  • 1ヶ月に1回 自己注射
  • 最も新しいTNFα阻害薬
  • メトトレキサートを使用した方が効果が高い(なくても使用自体は可能)
  • バイオシミラー製剤がないため、他より高価
    • 111,422円/月(1ヶ月あたり)
  • 新しいため、あまりデータがない。
  • 公式サイト

https://www.taisho.co.jp/company/news/2024/20240116001479/

TNFα阻害薬の利点

メトトレキサートなどの、古くから使われている薬剤に比べて、効果が高いことが多く、かつ効果がでるのが早いと言われています。

  • (古くから使われている薬剤に比べて)効果が出るのが早い
    • 人によっては、投与した翌日から関節の痛みがよくなることもある。
    • 1〜2週間で効果が出ることが多い
  • 効果が強い
    • TNFα阻害薬が使えるようになったことで、関節リウマチの治療は大きく進展したといわれる
  • 一部の薬には「バイオシミラー」があり、他の生物学的製剤より値段が安い

ではなぜ最初からTNFαをすべての患者さんに使用しないのでしょうか。それは一定数の患者さんはメトトレキサートのみで全く症状がない状態まで改善することができるからです。TNFα阻害薬などの新しい薬は値段が高く、まずはそれらを使わずに治療しようという方針になっています。

しかし、例えば関節リウマチの程度が非常に悪い方や、メトトレキサートを使用できず、古くから使われている薬剤で治療することが難しいと考えられる場合には、早めからTNFα阻害薬などを使用することもあります。最終的には主治医の判断が重要です。

TNFα阻害薬の欠点

効果が強力で、かつ早いTNFα阻害薬ですが、以下のような欠点もあります。

  • 注射でしか使えない
    • 冷所で保存が必要。
    • 手に痛みが強いと使えない場合がある
  • 値段が高い(最近はより安い薬剤がでてきている)
  • 免疫を抑える力が強いため、感染症の副作用が多い
  • 頻度は高くはないが、さまざまな副作用が報告されている

Q&A

使用開始前の疑問

関節リウマチの治療の原則は確かにあるものの、治療薬の選択はケースバイケースです。

というのも、どの薬が最も効果があるかがはっきり分かっておらず、患者さんの背景(どのような関節リウマチか、金銭面、薬の投与頻度、今までの病気 など)を総合的に判断して、主治医が経験とあわせて選択しているのが現実だからです。

したがって、実際に患者さんをみることなく、この薬がおすすめ、といったことをいうことはできません。

他の選択肢という点では、最近では同じ注射でつかう薬(生物学的製剤)もさまざまな種類があります。それぞれ向いている患者さん、値段、投与タイミングが違うため、主治医に相談してみてください。

治療の原則は詳しくは関節リウマチのページをご参照ください。

  • 3ヶ月前後で判断することが多い
  • 薬を使う前に、効くかどうかを判断することは難しい
  • 効果があったかどうかは、患者さんの症状の変化が一番重要

人によりますが、3ヶ月以外に効果がなければ効果がないと考えることが一般的です。

私の経験では、打って翌日には痛みが楽になっている方もいれば、打っても大きくは変わらず数ヶ月経過する方もいらっしゃいます。

どの患者さんにどの薬が向いているかというのは(ある程度予想はできるものの)実際は使ってみなければ分からないことが多いです。

医師からしても、どれくらいから効果があったかは気になるところですので、日記などに痛みの程度を記録していただけると、治療の大きな参考になりありがたいです。

自己注射の薬の投与方法は、薬の種類によって多少の違いはありますが、大きくは変わりません。

製薬会社によって、パンフレットや投与の方法の動画を配信していることが多いので確認してみてください。

(トシリズマブ・アクテムラ®の投与方法) https://pat.actemra.jp

実際にご自身で使用されてみることが一番わかりやすいと思いますので、練習用のキットがありますので、医師や看護師に相談してみてください。

注射で使用している針は、太さで言えば「25〜29G(ゲージ)」程度です。

  • 注射の針の太さ (数字が小さいほど太い
    • 18〜20G ・・・献血は18Gが使われる
    • 22〜24G ・・・採血や点滴で最も広く使われている
    • 23〜25G ・・・予防接種の針
    • 25〜29G ・・・自己注射で使用する針  
    • 32G   ・・・インスリンなどで使用する針

このように、使用する針の中でも最も細い部類に入ります。当然注射針は太いほど痛いので、注射針自体の痛みはかなり少ない部類です。(予防接種よりは細い)

ただ、注射針から薬剤が注射される瞬間はある程度痛みがあります。(予防接種と似ています)

患者さんに伺うと、投与していくうちに慣れていく患者さんが多いように思いますが、最初はやはり痛みを気にされる方も多いです。

上でお示ししている価格は「薬価」であり、薬そのものの値段です。

実際にお支払いいただく額は、ご自身の加入の保険による値段になります。(最大記載の3割)

関節リウマチの場合には、薬剤の額によっては高額療養費制度を利用することができます。

高額療養費制度の説明はこちらのページを参照ください。(厚生労働省のページ)

最初の数回は、院内で看護師などからやり方を教えて差し上げながら、投与していただき、ご自身で使用できる段階で、通常の薬と同様に外来で処方してもらうことになります。

例えば1週間に1回投与する薬なら、3ヶ月後なら、12本処方することになります。

薬は冷蔵庫で管理いただく必要があるので、冷蔵庫の容量や持ち運びという点では大変になってしまいます。

治療全般に関する疑問

免疫抑制薬ですので、免疫が普通の方より抑えられた状態となります。

そのため感染症に注意していただくことが最も重要です。具体的には

  • 手洗い・うがい・マスクの着用
  • 風邪を引いている方や小さいお子さんと合う際には注意していただく
  • 人混みにはできるだけ行かないようにする

お子さんは風邪やお子さん特有の感染症になっていることがあります。通常の大人では感染しなかったり、軽傷で治ることが大半ですが、免疫が抑えられた状態では重症化してしまう可能性があります。

人混みでは、感染症を移される可能性が高まることや、「ほこり」が多く舞っています。この「ほこり」の中に「真菌=カビ」が含まれています。普通、気がつかないうちに「ほこり」を吸い込んでいますが、免疫によってこれは排除されています。しかし免疫が抑えられた状態では、真菌の肺炎になってしまうことがあります。

基本的にはバランスのよい食事をとっていただければ、取ってはいけない食品などはありません。

ただし、ステロイド(プレドニン®、メドロール®など)を使用されている方は、幾つか注意していただくことがあります。詳しくはこちらのページをご覧ください。

関節リウマチの薬は、基本的には、完全に中止することは難しいといわれています。

一部の薬剤では、病気が安定すると減量することができるため、まずは病気の勢いを抑えることに専念し、ある程度の期間(半年〜数年程度)病気が安定したら、減量を考えるというのが現実的な治療方針です。

安定したとしても急激に治療を減らすと、病気がまた悪くなってしまうことがあります(再燃といいます)。これに十分注意して減量していく必要があるため、すぐに治療を軽くすることは難しいことが多いです。

TNFα阻害薬は、他の薬と飲み合わせは問題ないことが多いです。

メトトレキサート(リウマトレックス®)とは基本的には一緒に使った方が効果が強く、使っているうちに効きが悪くなりにくいとされているので、一緒に使われることが多いです。(インフリキシマブは併用が必須)

他の生物学的製剤やJAK阻害薬と同時に使うことはできません。(免疫抑制が強くなりすぎるため)

具体的に心配な薬剤については、主治医に相談してみてください。

安定して打てる時間を決めておくことが一番よいとおもいます。

朝は忙しく打っている時間がない方は夜がおすすめですし、夜帰ってくる時間が不定期な方は朝がよいでしょう。是非ご自身のライフスタイルに併せたタイミングでの時間を探ってみてください。

まずは「打たずに、主治医に相談」しましょう。

主治医に連絡がつかない土日などの場合、「打たずに待って、連絡がつくタイミングで主治医に相談」しましょう。

なぜなら、体調が悪い・熱がでたときの、最も恐ろしいことは「感染症」だからです。感染症がある際に注射をしてしまうと、感染症が悪化して大きな問題となってしまいます。

もちろん、元の病気という可能性はありますが、元の病気(膠原病)が悪くなっているのか、感染症科の判断は非常に難しく、時に両方の状態が同時にある可能性もあります。必ず、感染症の存在を考えて対応する、というのが膠原病治療の原則なのです。

主治医に連絡がつかない場合には、躊躇せず病院を受診しましょう。もしもの時の対応をあらかじめ主治医と話しておくことも重要です。

ワクチンには大きく2種類あり、打っていいものと、打つべきではないものがあります

ワクチンとは、病原体に似た構造をしたものを打つことで、それに対する免疫をつけることを目的としたものです。この、「病原体に似た構造」が、どれだけ似ているかで種類が分かれます。

  • ワクチンの種類
    • ワクチン ・・・病原体に近く、免疫を抑えている状態では打てない
    • 不活化ワクチン ・・・病原体にあまり似ておらず、免疫抑制状態でも打てる

結論からいえば、関節リウマチに対して免疫抑制薬を使用している方は、生ワクチンは使用できません。

ただ、大人になって使用するワクチンは、多くは不活化ワクチンなので、一部を除いて打てないものはありません。例えばよく使用するインフルエンザ・新型コロナウイルスワクチンは全く問題ありません。

  • ワクチン ・・・免疫抑制薬を使用していると打てない
    • (基本的には、こどもしか使用しない)
      • 麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・ロタウイルス・結核
    • 帯状疱疹(ビケン®)
  • 不活化ワクチン ・・・免疫抑制薬を使用していても打てる
    • インフルエンザ
    • コロナウイルス
    • 肺炎球菌
    • HPV(ヒトパピローマウイルス)
    • 髄膜炎菌
    • 帯状疱疹(シングリックス®)
    • A型肝炎・B型肝炎

また、免疫を抑制している中では、むしろワクチンを使って感染症を予防することが望ましいと考えられています。例えば、薬にもよりますが、インフルエンザワクチン・コロナウイルスワクチン・帯状疱疹・肺炎球菌ワクチンなどは、接種が望ましいといわれています。

  • 免疫が抑えれられている方に推奨されるワクチン
    • インフルエンザワクチン
    • コロナウイルスワクチン
    • 帯状疱疹ワクチン
    • 肺炎球菌ワクチン など

ただし、帯状疱疹は二種類あり、ビケン®は使用できません。

自己注射キットの使い方の疑問

薬の種類によって注射の仕方は少しずつ違い、まちまちなので、その薬ごとの説明書を参考にしてください。

ただ基本的な操作は共通しています。

  • 冷蔵庫から取り出し室温に戻す(30分〜1時間・時間は薬ごとまちまち)
  • 注射する部分の皮膚を消毒する
  • キャップを外し
  • 注射器本体を握り
  • 皮膚に押し当てて
  • 2回「カチッ」と音がして確認窓が変化 →この間に薬が注入されます
  • 音と確認窓をチェックして離す という方法です。

(画像はサリルマブ®の例)

薬の種類によって薬の扱い方は少しずつ違い、まちまちなので、その薬ごとの説明書を参考にしてください。

ただ基本的な保管方法は共通しています。

  • 冷蔵庫( 2〜8 °C )で、箱ごと保存する
  • 冷凍庫には保存しない
  • 室温では保存しない

注射の種類によっては1度の外来で10本以上の量をお持ち帰りいただくこともあるため、冷蔵庫のスペースを確保していただくことが必要になる場合もあります。

国際線の持ち込みは、基本的には可能です。

  • 自己注射キット・針:持ち込み可能
    • ただし保安検査の際に申し出た方がよい
  • 基本的には国際線では100mL以上の液体は機内持ち込みできませんが、医療上必要な場合には持ち込み可能な場合が多いです。
  • ただし保冷機器の貸し出しは基本的にはない点は注意が必要。
  • JAL・ANAは医師の書類・診断書は不要と明記されている

Transportation Security Administration(米国運輸保安庁) 
JALのお薬・自己注射について

また海外への持ち出しも、基本的には可能です。

  • 関節リウマチで使用する注射製剤は、日本側の許可は不要
  • 少なくともJAL・ANAでは機内持ち込みが可能
    • 航空会社に事前に確認することが理想
  • 国によっては、医師の診断書事前の申請書持ち込める数に制限がある場合がある

以下のサイトも参考にしてみてください。また、訪問先の在日外国公館に問い合わせることが最も確実かと思います。

薬の種類によって薬の扱い方は少しずつ違い、まちまちなので、その薬ごとの説明書を参考にしてください。

ただ基本的な注射部位は共通しています。

  • お腹 
    • ただし臍周囲5cmは避けること
  • 太もも
  • 二の腕 (ご家族が注射する場合)

https://www.pmda.go.jp/RMP/www/780069/bb846bb1-f7d8-41b7-baef-3b1d3c90594f/780069_3999444G1022_03_001RMPm.pdf

この際、注射する場所は毎回ずらすことが重要です。

前うった場所を忘れてしまう場合は、日記に記載するなどして場所を変えるようにしましょう。

基本的には、注射キットを処方された病院から廃棄袋も一緒に渡されます。

その廃棄袋に入れて、外来の際に病院に持ってきて破棄しましょう。

自己注射で使用する針はかなり細い部類ですので、刺したときの痛みはあまり強くないといわれています。

  • 注射の針の太さ (数字が小さいほど太い
    • 18〜20G ・・・献血は18Gが使われる
    • 22〜24G ・・・採血や点滴で最も広く使われている
    • 23〜25G ・・・予防接種の針
    • 25〜29G ・・・自己注射で使用する針  
    • 32G   ・・・インスリンなどで使用する針

ただ(予防接種などでもそうかとおもいますが)薬が入ってくるときには痛みが感じられることが多いです。

私の経験では、最初は痛がっていらっしゃった患者さんでも3〜4回後では、かなり慣れていらっしゃる方が多いように感じます。

あまりにも痛い場合や、打った場所がかゆい・腫れるなどの症状がある場合には、我慢せず主治医に相談しましょう。

飲酒による影響はあまりないと考えられます。

ただし、あまりに酔った状態では、注射の操作を誤る可能性がありますので、避けた方がよいでしょう。

針の太さが細いため、出血する可能性は高くありません。

打った後は、打った場所を10秒ほどしっかりと抑えるようにしましょう。それで1度確認し、それでも血がにじんでくるようならば、さらに3分ほどその場所を抑えてみてください。

出血した場合にまずすることは、「圧迫止血」といって抑えて血を止めることが重要です。

毎回血が止まりにくく、大変な場合は主治医に相談してみてください。

注射の後、注射した部分から出血したり、腫れたりしていなければ大丈夫です。

注射器本体の管理の疑問
  • 冷凍してしまったら、その薬は使ってはいけません
  • 仮に解凍したとしても、使用してはいけません

というのも、注射の薬はタンパク質なので、冷凍してしまうと中の薬が変化してしまっている可能性があるからです。解凍しても元に戻るわけではないので、1度冷凍したら主治医に連絡して、新しいものをもらいましょう。

薬の種類によりますが、ある程度の期間なら、室温でおいておいても大丈夫なことが多いです。

ただし、期間は薬によって異なり、また再度の冷蔵はしてはいけません

記載の温度より高い温度であった場合には、薬剤が変性してしまう可能性があるため、使用してはいけません。

  • トシリズマブ(アクテムラ®)・・・30℃以下で、14日以内まで保存可能
  • サリルマブ(ケブザラ®) ・・・25℃以下で、14日以内まで保存可能

それぞれの薬剤の添付文書より引用

このようなことが起きた場合、薬が足りなくなると思いますので、主治医に連絡して外来の予約をとりましょう。

  • 硬い床に落としてしまった、強く振ってしまった場合には、使用しないでください
  • また、キャップを外した後に落としてしまった場合でも、使用しないでください。

外見で大きな変化がなくても、針や本体の内部に異常がおきている可能性があります。また、キャップを外した後だと、針が汚染され、感染症を起こす可能性があります。

このようなことが起きた場合、薬が足りなくなると思いますので、主治医に連絡して外来の予約をとりましょう。

なくなってしまった場合には、すぐに主治医に相談しましょう。

新しい薬剤を処方してもらう必要があります。

原則として、投与し忘れた場合でも、1回に忘れた分と併せて2回分使うことはしてはいけません

免疫を抑える作用が、強く出すぎてしまう場合があるからです。

忘れたことに気がついたタイミングで投与するかどうかは、ケースバイケースとしかいえません。

  • 1ヶ月に1回投与の薬の場合、1週間程度ずれても大きな問題になることは少ない
  • 1週間に1回投与の薬の場合、1週間程度ずれると、1回分が投与できなくなってしまう

いずれにしても2〜3日程度ずれたぐらいでは大きな問題になることはないといえますが、忘れたことに気がついた場合には、主治医に投与について聞いてみましょう。

以下のような故障を考える状態の時は、その注射器は使用をやめて、主治医に連絡しましょう

  • ボタンを押してもうまく作動しない(音が出ない、張りが出ない)
  • 途中で止まった(全量が入らない)
  • 本体の異常(キャップや本体のヒビなど)

主治医からは製薬会社へそういった故障の事例を報告する必要があるためです。

注射器を打つときのトラブル

カバー・キャップを外したときに、数滴薬が漏れることはあり、問題ありません

明らかに注射器が破損している、薬液が多く漏れている場合にはその注射器は使わないようにしましょう

また、注射器の故障や破損について主治医に報告しましょう。

押し当てる時間が短かった、斜めに打ってしまったなどで、注射器の窓が完全に変わりきらなかったとき、薬がうまく投与できていないと考えられます。

中外製薬 アクテムラ皮下注162mgシリンジ・オートインジェクター

  • 途中になってしまった注射器は再度使用しないでください。
  • もう一本新しい薬を代わりに投与しないでください。

医師に連絡して指示を仰ぐようにしましょう。

注射製剤は皮膚に対して、垂直(90度)で投与することが基本です。

これを斜めに打ってしまうと、うまく皮膚に薬剤が入りきらなかったりして問題になることがあります。

基本的には、注射器の「窓」が完全に変わっていれば、薬は投与されているので問題ないことが多いです。

中外製薬 アクテムラ皮下注162mgシリンジ・オートインジェクター

窓が完全に変わっていない場合には、薬がうまく投与できていないと考えられます。

  • 途中になってしまった注射器は再度使用しないでください。
  • もう一本新しい薬を代わりに投与しないでください。

医師に連絡して指示を仰ぐようにしましょう。

打った部分が赤くなる、痛くなる、かゆくなることを「注射部位反応」といい、よくある副作用の一つです。

すべての注射製剤で報告されていますが、多くは軽度で、中止は不要なことが多いです。また継続して使用していくと、慣れてきて減少するといわれています。

以下の場合には主治医に相談してみましょう。

  • 打った部分が5日以上しても症状が持続している
  • 広い範囲で痛みがでる
  • 膿を伴う
  • 発熱や呼吸が苦しい、くちびるが腫れるなど、打った場所以外に症状が出る

自己注射製剤においては打った場所は揉まないようにしましょう。

アルコール綿などで10秒ほど軽く抑えて、出血がでないようにすることで充分です。

打った後は、打った場所を10秒ほどしっかりと抑えるようにしましょう。それで1度確認し、それでも血がにじんでくるようならば、さらに3分ほどその場所を抑えてみてください。

出血した場合にまずすることは、「圧迫止血」といって抑えて血を止めることが重要です。

針の太さが細いため、出血する可能性は高くありませんが、毎回血が止まりにくく、大変な場合は主治医に相談してみてください。

ほか

胃カメラ・大腸カメラ程度の検査であれば、薬剤を中止する必要はありません

不安な場合には、検査の前に主治医に相談してみてください。

手術の大きさや程度によってケースバイケースと言わざるを得ませんが、小さな手術であれば問題になることは少ないです。(皮膚の一部を取る、胃カメラ、大腸カメラなど)

ただ、全身麻酔を必要とする手術の場合には、一時薬を中止した方が良いこともあります。治療中の病気の状態や、手術の程度によって、バランスを考える必要があるため、主治医に相談することが重要です。

2025/08/26 Q&Aを追加しました

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。
個々の患者さんの診断・治療方針は、病状、検査結果、併存疾患、使用中の薬剤などによって異なります。
実際の診療判断は、必ず主治医または医療機関にご相談ください。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

専門:膠原病リウマチ内科、内科
資格・所属:医師(MD) 
日本内科学会・日本リウマチ学会所属・大学病院勤務
患者さんから、(主に若手の)リウマチ科医師まで、膠原病・内科について広く知ってもらうことを目標にしています。皆さんで作っていくブログにしたいと考えていますので、お問い合わせフォームより、なんでも気軽にご相談・ご質問ください!

目次