全身性エリテマトーデスの疾患活動性評価方法の一つです。
SLEDAIやBIALG、PGAといった様々な指標を組み合わせた指標です。各指標の欠点を補うことができますが、評価が煩雑となり、実臨床で使用することはあまり現実的ではありません。
指標を総合しているため、各指標それぞれが、ある程度改善すれば「達成」と見なします。寛解基準に似ています。
全身性エリテマトーデスを評価する指標のまとめは、こちらのページを参考にしてください。
SRI-4
SELENA-SLEDAIの修正版、BILAG、PGA組み込んだ複合アウトカムです。
- ベースラインと比較して以下を満たすこと
- SELENA-SLEDAIスコアが少なくとも4ポイント減少
- BILAG-2004 A臓器:ドメインスコアなし
- BILAG-2004 B臓器:ドメインスコアが1つ以内
- PGA(Physician’s Global Assessment)スコアの悪化なし(<0.3の増加)
BICLA
SELENA-SLEDAIの修正版、BILAG、PGA組み込んだ複合アウトカムです。
- ベースライン時の重度(BILAG-2004 A)または中等度(BILAG-2004 B)の疾患活動性すべてがより低いレベル(A→ B、C、DおよびB→ C、D)に軽減
- 他の臓器系で悪化がない(悪化の定義:1つ以上の新規BILAG-2004 A項目 または 2つ以上の新規BILAG-2004 B項目)
- SLEDAI-2Kスコアで疾患活動性の悪化がない(ベースラインからの増加なし)
- PGAスコアで悪化がない(ベースラインから0.3ポイント以上の増加なし)
- 試験治療の中止・プロトコルで許可された閾値を超える制限薬剤の使用なし
SRI-4とBICLAの違い
SRI-4も、BICLAも、構成されている指標はSLEDAI・BICLA・PGAであり、同じものによって構成されています。
それぞれの指標に対する扱いが異なるため、この違いを理解しておく必要があります
- SRI-4
- 評価の中心はSLEDAI
- 少なくとも1つのSLEDAI臓器領域における、症状の完全な消失を必要とする(≥4ポイントの改善)
- BICLA
- 評価の中心はBILAG
- 影響を受けたすべての臓器領域における改善を必要とし、すべての臓器系にわたって臨床的に意義のある反応を保証対照的に、BICLAは症状の完全な消失を必要とせず、BILAGスコアリングによる部分的改善で充分とする
- BICLAの方がSRIより改善の検出において優れていると考えられる
RMD Open 2025;11:e005444
Arthritis Research & Therapy volume 17, Article number: 183 (2015)
実際に使用されている臨床研究
- BLISS-52・BLISS-72では、SRIが主要評価項目として設定されています。
- TULIP−2では、BICLAが主要評価項目として、SRIが副次評価項目として設定されています。
- EMBLEMでは、BICLAが主要評価項目として設定されています。


コメント