ステロイドQ&A

ステロイド(副腎皮質ステロイド)を内服している方のためのQ&Aです。
日常の疑問や、気になること、こんな時はどうしたらいい?といったことを紹介しています。

ステロイド関係の記事一覧
目次

通院やその期間に関してのQ&A

通院の頻度はどの程度になりますか

安定すれば1ヶ月〜3ヶ月が多いですが、場合によりけりです。

ステロイド使用中の通院頻度は、元の病気や患者さんの状態によって大きく異なるため、あくまで参考程度に考えてください。塗り薬や吸入薬として使用している場合には、ステロイドを使っていることだけを理由に頻繁な通院が必要になることは多くありません。


一方で、膠原病に対してステロイドを内服している場合には、ステロイドの量が多いうちは2週間〜1か月ごとに通院していただくことが多いです。その後、病気が安定してくれば、1か月〜3か月ごとの通院になることが多いです。ただし、元の病気がどれほど安定しているか、副作用がどの程度出ているか、他の薬を使用しているかなどによって、通院頻度は大きく変わります。詳しくは主治医に確認してください。

ステロイド使用中はどのような検査が必要ですか

採血・胸部レントゲンや骨密度・眼科検査など

ステロイド使用中に必要な検査も、元の病気によって大きく異なります。塗り薬や吸入薬として使用している場合には、ステロイドを使用していること自体に対する検査は不要なことが多いです。ただし、通院している病気そのものに対して検査が必要になることはあります。

膠原病に対してステロイドを内服している場合には、副作用を確認するための検査が必要になることが多いです。たとえば、糖尿病や脂質異常症が起きていないかを確認するために採血を行います。また、免疫が抑えられることで肺炎などの感染症が起きていないかを確認するために、胸部レントゲンなどを行うこともあります。

そのほか、ステロイドによって骨がもろくなることがあるため、定期的に骨密度検査を行うことがあります。また、白内障や緑内障の可能性がある方、あるいは長期間ステロイドを使用している方では、眼科での検査が必要になることもあります。

ステロイドはどれくらいの期間使いますか

病気によってまちまちで、やめられない病気もある

ステロイドを最終的にやめられるかどうかも、病気や患者さんごとの状態によって大きく異なります。ステロイドは長期に使用するとさまざまな副作用が出るため、基本的には少しずつ減らしていき、最終的には0にすることが目標になります。

しかし、病気によっては、ステロイドを使わなくても他の薬で安定するものもあれば、どうしてもステロイドを使い続けざるを得ないものもあります。また、同じ病気であっても、ステロイドなしで安定する方もいれば、ステロイドをやめると病気が悪くなってしまい、続けざるを得ない方もいます。

そのため、主治医であっても、ステロイドを完全にやめられるかどうかを最初から正確に予測することは難しい場合が多いです。膠原病に対してステロイドを使用する場合の考え方は、「膠原病におけるステロイドの使い方」も参考にしてください。

ステロイドは、やめられますか?

病気によるが、膠原病の場合にはやめられないこともある

ステロイドを最終的にやめられるかどうかも、病気や患者さんごとの状態によって大きく異なります。ステロイドは長期に使用するとさまざまな副作用が出るため、基本的には少しずつ減らしていき、最終的には0にすることが目標になります。

しかし、病気によっては、ステロイドを使わなくても他の薬で安定するものもあれば、どうしてもステロイドを使い続けざるを得ないものもあります。また、同じ病気であっても、ステロイドなしで安定する方もいれば、ステロイドをやめると病気が悪くなってしまい、続けざるを得ない方もいます。

そのため、主治医であっても、ステロイドを完全にやめられるかどうかを最初から正確に予測することは難しい場合が多いです。膠原病に対してステロイドを使用する場合の考え方は、「膠原病におけるステロイドの使い方」も参考にしてください。

ステロイドの基本的な情報

ステロイドとは何ですか

こちらのページを参考にしてください

ステロイドの飲み方の注意

ステロイドはいつ飲めばいいですか

1錠なら朝が多いですが、主治医の判断に従ってください

ステロイドは、「副腎皮質ステロイド」という、誰でも体の中で作っているホルモンに由来する薬です。通常、このホルモンは朝に多く作られ、夜には少なくなります。そのため、体の自然なホルモンのリズムに合わせる目的で、ステロイドは朝に多く内服することが多いです。

このリズムから外れて夜に内服すると、不眠の副作用が強く出ることがあります。そのため、可能であれば朝に多めに内服する方法がとられることがあります。ただし、病気の状態によっては、朝・昼・夕に分けて内服することが重要な場合もあります。必ずしも全員が朝だけに飲めばよいというわけではないため、内服方法は主治医の指示に従ってください。

ステロイドは他の薬に影響を与えますか

他の薬と飲んで問題になることは少ないです。

ステロイドは、体の中で作られているホルモンに由来する薬であるため、他の薬と極端に飲み合わせが悪いことは比較的少ない薬です。ただし、一部の薬はステロイドの分解に影響し、ステロイドの量を調整する必要がある場合があります。

また、ステロイド以外の免疫抑制薬については、他の薬との飲み合わせに注意が必要なものがあります。サプリメントや市販薬を始める場合、あるいは飲み合わせが心配な場合には、主治医や薬剤師に確認してください。

ステロイド内服中に気をつけることはなんですか

ステロイドを内服している場合には、副作用の出現・その予防・内服を継続すること、に注意することが必要です。

ステロイドを飲んでいるときに食事で気をつけることはありますか

ステロイド内服中は、食事の管理が非常に重要ですが、注意すべき点は大きく2つあります。

生活習慣病に注意

ステロイドによって生活習慣病が起こりやすくなったり、もともとある生活習慣病が悪化しやすくなったりすることがあります。
具体的には、高血圧、糖尿病、脂質異常症に注意が必要です。

  • 高血圧を防ぐためには塩分を取り過ぎない
  • 糖尿病を防ぐためには糖分を取り過ぎない
  • 脂質異常症を防ぐためには脂質を取り過ぎない

生活習慣病の難しいところは、血圧測定や採血をしないと分かりにくく、初期には症状が出にくいことです。症状が出たときには、脳卒中や神経障害など、取り返しのつかない状態として現れることがあります。そのため、症状がないうちから、食事や運動に気をつけることが重要です。

STEP
食欲が増える点に注意

ステロイドを内服で使用すると食欲が増えることがあります。

腹持ちのよい食事を選ぶ、あらかじめ食事量を決めておく、間食を買わないようにするなどの工夫が有効です。ステロイドの量が多いほど食欲が強くなることがあり、ステロイドを減らしていくと徐々に落ち着いてくることが多いです。

ステロイド内服中にお酒は飲んでも大丈夫ですか?

ステロイドを内服している場合でも、お酒を飲むこと自体が絶対に禁止されるわけではありません。ただし、生活習慣病との関係で注意が必要です。

アルコールは、脂肪肝の原因になることがあります。脂肪肝とは、肝臓に脂肪が入り込んだ状態で、進行すると肝機能が低下することがあります。そのため、脂質異常症がある方や、すでに脂肪肝がある方では、飲酒を控えた方がよい場合があります。

また、飲酒そのものだけでなく、お酒と一緒に食べるつまみにも注意が必要です。つまみには塩分や糖分が多く含まれていることがあり、高血圧、糖尿病、高尿酸血症などにつながることがあります。飲み過ぎが体によくないことは当然なので、節度ある飲酒を心がけてください。

節度ある飲酒の目安は、1回あたりアルコール量20 g程度で、週2回以上の休肝日を設けることです。アルコール量は、「お酒の量 mL × アルコール度数 % × 0.008」で計算できます。たとえば、アルコール度数5%のビールであれば、中瓶1本でおおよそ20 g程度になります。

ステロイド内服中にタバコを吸っても大丈夫ですか?

ステロイドを内服している場合でも、タバコを吸うこと自体が薬の飲み合わせとして問題になるわけではありませんが、喫煙してよいことは全くない。

喫煙によって肺が弱くなり、肺炎の原因になったり、肺が破れやすくなったりする可能性があります。

特に、気管支喘息や膠原病に対してステロイドを使用している場合には、喫煙によって病気が悪くなる可能性が高いため、禁煙が強くすすめられます。どれだけ病気に対して薬を使っても、病気を悪くする原因であるタバコを吸い続けていると、治療効果が十分に出にくくなります。禁煙外来なども利用しながら、できるだけ禁煙を目指しましょう。

ステロイド内服中に運動しても大丈夫ですか?

ステロイド使用中は、適切な運動も重要です。理由としては、ステロイドの副作用として高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が起こりやすくなること、食欲が増えることがあること、骨粗鬆症になりやすくなることが挙げられます。

血圧や血糖値、脂質の異常に対しては薬を使うこともありますが、食事と運動は非常に重要です。また、骨粗鬆症の予防のためにも、体の状態に合わせた運動を続けることが大切です。ただし、病気の活動性が強い時期や、関節痛・筋力低下がある場合には、無理な運動がかえって悪影響になることもあります。どの程度の運動が適切かは、主治医と相談しながら決めてください。

ステロイド使用中にワクチン接種をしても大丈夫ですか?

ワクチンの種類によります。
インフルエンザウイルスワクチン・新型コロナウイルスワクチン・一部の帯状疱疹ウイルスのワクチン・肺炎球菌のワクチンなどは、むしろ接種した方がよいです。

生ワクチン

病原体に近い性質をもつため、免疫を抑えている状態では接種できない

不活化ワクチン

病原体としての働きを失わせたものや、病原体の一部を利用したもので、免疫抑制状態でも接種できる。

関節リウマチなどで免疫抑制薬を使用している方では、基本的に生ワクチンは使用できません。小児期に接種する麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・ロタウイルス・結核などのワクチンは、生ワクチンに含まれます。また、帯状疱疹ワクチンのうち、ビケン®は生ワクチンであるため注意が必要です。

一方で、不活化ワクチンは、免疫抑制薬を使用していても接種できるものが多いです。代表的なものとして、インフルエンザワクチン、新型コロナウイルスワクチン、肺炎球菌ワクチン、HPVワクチン、髄膜炎菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンのシングリックス®、A型肝炎・B型肝炎ワクチンなどがあります。

免疫を抑えている状態では、むしろ感染症を予防するためにワクチン接種が望ましい場合があります。たとえば、インフルエンザワクチン、新型コロナウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンなどは、接種がすすめられることがあります。ただし、使用している薬や病気の状態によって判断が変わるため、接種前には主治医に相談してください。

旅行に行っても大丈夫ですか?

旅行に行くこと自体はステロイド使用中でも可能だが、注意点がいくつかある。

まず、ステロイドを使用している元の病気が安定していることが大切です。旅行は体にとって大きなストレスになるため、持病が悪化する可能性があります。特に海外で病気が悪化すると、病院を受診しても十分な情報が伝わらず、適切な医療を受けにくかったり、非常に高額な医療費がかかったりすることがあります。

また、感染対策にも注意が必要です。ステロイドを内服すると感染しやすい状態になるため、バス・飛行機・新幹線などで移動する場合や、旅行先で人混みに行く場合などには、マスクの着用・手洗い・うがいなど感染対策を心がけるほうが無難です。国や地域によっては、日本ではあまりみられない感染症が流行していることがあります。通常であれば軽症で済む感染症でも、ステロイドによって免疫が抑えられている場合には重症化することがあります。海外旅行に行く場合には、渡航先の感染症情報を事前に確認し、必要な対策を主治医と相談してください。

手術や抜歯を受けても大丈夫ですか?

抜歯程度なら問題ないことが多いですが、大きな手術の場合には薬の調整や延期が必要なことがあります

ステロイドを内服している方が抜歯や手術を受ける場合には、一時的にステロイドの量を増やす必要があることがあります。これは、ステロイドが自分の副腎という臓器から作られるホルモンに由来する薬であるためです。

ステロイドをある程度の量、ある程度の期間内服していると、自分の副腎皮質からステロイドホルモンを作る働きが弱くなることがあります。いわば、副腎が「サボっている」ような状態です。ステロイドホルモンは、手術などの大きなストレスがかかったときに、本来は普段より多く作られる必要があります。

しかし、自分の体で十分にステロイドホルモンを作れない状態では、手術のストレスに対応するために、外から補う必要があります。これを医学的にはステロイドカバーと呼びます。通常は、手術当日から数日間だけステロイドの量を増やします。

目安として、ステロイドを5 mg以上、3週間以上使用している場合には、手術や抜歯の前にステロイドカバーが必要になるかどうかを検討します。手術のストレスの大きさによって、増やす量は変わります。抜歯や手術を予定している場合には、必ず主治医に連絡し、ステロイド量の調整について相談してください。


こんな時はどうしたら?

体調が悪くて飲めない、薬をなくした

すぐに受診して、ステロイドを継続しましょう。
ステロイドは、途中でやめたり、飲み忘れたりしてはいけません
急に中止すると、元の病気が悪くなるだけでなく、副腎不全症を起こす可能性があるためです。

ステロイドは、本来は自分の体から出ているホルモンの濃度を高めた薬です。ステロイドをしばらく内服していると、外からホルモンが補充されている状態になるため、自分の体でホルモンを作る働きが休んでしまいます。完全に作れなくなるわけではない場合もありますが、急に中止すると体に必要なホルモンが不足することがあります。

そのため、ステロイドは体調が悪いときでも、食事がとれないときでも、自己判断で中止してはいけません。特に、吐き気や嘔吐などで薬が飲めない場合には、点滴でステロイドを補充する必要があることがあります。そのような場合には、必ずかかりつけ医に相談し、状況によってはすぐに病院を受診してください。

ただし、飲み忘れた場合でも、体調に変化がなければ焦りすぎる必要はありません。基本的には、決められた内服を再開します。2日分を一度に飲むなど、普段より多い量をまとめて飲む意味はあまりありません。心配な場合は、主治医に相談してください。

ステロイド内服中の体調不良

内服ができない程度ならすぐ受診を。適宜主治医に相談しましょう。

ステロイド内服中の体調不良は、普段よりも重く考える必要があります。ステロイドや免疫抑制薬を使用している状態で体調が悪くなった場合、それは非常に重要なサインである可能性があります。

原因としては、風邪などの感染症、元の病気の悪化、薬の副作用などが考えられます。どれが原因かを自分で判断することは難しく、検査を含めた総合的な判断が必要になることがあります。そのため、ステロイド内服中に体調不良がある場合には、早めに主治医に相談することをおすすめします。

特に、体調不良によって薬が飲めない場合には注意が必要です。ステロイドを内服できない場合、点滴に切り替えて補充する必要があることがあります。そのため、薬が飲めない状態になった場合には、必ずかかりつけ医に連絡し、場合によってはすぐに病院を受診してください。

ステロイド内服中の胃が痛い、胃の周りが気持ち悪い

ステロイド内服中に胃の不快感や胃痛、胸やけなどがある場合には、ステロイドによる胃潰瘍・十二指腸潰瘍が関係している可能性があります。

ステロイドは食道や胃などの消化管に影響を及ぼすことがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こしやすくすることがあります。

そのため、ステロイドを内服である程度の量使用する場合には、胃薬を一緒に使うことが多いです。ただし、胃の症状は、他の薬の副作用や逆流性食道炎など、別の原因で起こることもあります。症状が続く場合や強い場合には、主治医に相談してください。

ステロイド内服中にアザができやすくなった

ステロイドによる副作用の可能性はあります。
治りをよくする薬はありますが、根本的にでないようにすることは難しいです。

ステロイド使用中には、ぶつけた覚えがないのにアザができたり、できたアザが消えにくくなったりすることがあります。これは、ステロイドによって皮膚や細い血管がもろくなり、細かい血管の傷の治りが悪くなるためです。採血のあとや、軽くぶつけたあとにアザが目立つこともあります。

この副作用は、ステロイドを始めてすぐに起こるというより、開始後3〜4週間ほどしてから徐々に目立ってくることが多いです。ただし、これは「出血しやすくなる」という意味ではなく、頭の中などで出血して命に関わることはほとんどありません。

対策としては、ステロイドを可能な範囲で減らしていくことが基本です。また、ビタミンC製剤(シナール®など)が有効な場合があります。効果には個人差がありますが、アザが消えるのが早くなる方もいます。ステロイドを減らしていけば、アザはできにくくなり、消えやすくなることが多いです。

他に気になるQ&Aがある場合には、コメントに書いていただけるとありがたいです!

2026/05/04 内容を更新しました

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