APTT単独延長をみたら

PTは正常値にもかかわらず、APTTのみの延長をみることがあります。鑑別疾患が限られ、凝固のカスケードと併せて覚えるとより理解が深まりまるため、鑑別方法について紹介します。

凝固系からみた機序

検査項目による凝固カスケードの違い
  • APTT ・・・左の青色→オレンジ色に至る経路の凝固能をみます。
  • PT ・・・ 黄色→オレンジ色の経路をみます。

従って、PT正常・APTT延長している場合、Ⅻ・Ⅺ・Ⅸ・Ⅷ(8・9・11・12)のいずれかの活性化低下をみていることになります。(抗リン脂質抗体症候群は例外です)

鑑別の大まかな流れ

  • 薬剤性を除外
  • クロスミキシング試験で、凝固因子欠損か、インヒビター(凝固因子に対する自己抗体)かを鑑別
  • 以下の疾患を念頭に検査を提出
鑑別するべき疾患
  • 血友病A・血友病B
  • 後天性血友病
  • 抗リン脂質抗体症候群
  • von Willebrand病(APTT正常上限程度のことが多い)

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薬剤性を除外

ヘパリンで時にAPTTのみ延長することがあります。

ワルファリンやDOACでは通常PTが延長します。

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クロスミキシング試験

クロスミキシング試験自体は、PTに関係なくAPTTが延長している患者すべてで実施する意義があります。

APTT延長の原因がインヒビター(凝固因子に対する自己抗体)か、欠損かを鑑別することが目的です。ここで凝固因子の欠損と分かれば無駄な自己抗体の検査を提出せずに済みます。

  • 欠損パターンの場合
    • von Willebrand病 →vWF活性の提出
    • 血友病A・血友病B →第Ⅷ因子・第Ⅸ因子活性の提出

ただし、von Willebrand病の場合には、インヒビターパターンを示す場合もあることが知られるため、疑わしければ(例えば鼻粘膜出血などを伴う場合)、vWF活性を提出することが重要とされます。 血栓止血誌2018; 29 (3): 273-280

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鑑別のための検査

鑑別するべき疾患は以下の2つです。

  • 後天性血友病
  • 抗リン脂質抗体症候群

上記の疾患を鑑別するために以下の検査を提出します。

  • 後天性血友病 →第Ⅷ因子活性 (→これの低値を確認したら第Ⅷ因子インヒビターを提出)
  • 抗リン脂質抗体症候群 →ループスアンチコアグラント(Russell蛇毒試験)、抗リン脂質抗体パネル(抗カルジオリピンIgG抗体・IgM抗体、抗β2GPⅠ IgG抗体・IgM抗体)

これらの検査の解釈は、血液内科や膠原病リウマチ内科のコンサルトの上でなされることが理想と考えますが、ここまで提出した上でコンサルトできるとその後の流れがスムーズと考えます。

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この記事を書いた人

専門:膠原病リウマチ内科、内科
資格・所属:医師(MD) 
日本内科学会・日本リウマチ学会所属・大学病院勤務
患者さんから、(主に若手の)リウマチ科医師まで、膠原病・内科について広く知ってもらうことを目標にしています。皆さんで作っていくブログにしたいと考えていますので、お問い合わせフォームより、なんでも気軽にご相談・ご質問ください!

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